FX(外国為替証拠金取引)では、為替レートの変動による利益以外に「スワップポイント」という毎日発生する利益もあります。これは、通貨同士の金利差を利用して得られる収益です。この記事では、スワップポイントの仕組みや使い方、注意すべきポイントまでをわかりやすく紹介します。
スワップポイントとは?
スワップポイントとは、通貨の金利の差によって毎日もらえる、または払うことになるお金のことです。たとえば、日本のように金利が低い国の通貨を売って、アメリカのように金利が高い国の通貨を買うと、その金利差に応じて毎日少しずつお金を受け取ることができます。これを「プラススワップ」と呼びます。
反対に、金利が低い国の通貨を買って、高い国の通貨を売ると、逆に差額を支払う「マイナススワップ」が発生します。
スワップポイントは、通貨の値動きによる利益(キャピタルゲイン)とは別の収益で、毎日コツコツと受け取れるのが特徴です。
スワップポイントはいつ発生するの?
スワップポイントは「ロールオーバー」という処理が行われるタイミングで発生します。これは、取引を次の日に持ち越すことを意味します。ロールオーバーの時間は日本時間の朝6時30分(夏時間は5時30分)で、この時点でポジションを持っているとスワップポイントが加算されます。
また、木曜日の朝には週末分のスワップもまとめて計算されるため、3日分のスワップが反映されることがあります。祝日などによっても付与日数が変わるため、カレンダーの確認も大切です。
スワップポイントの計算方法と確認方法
スワップポイントは、基本的に次のような式で概算できます:
数量 × 金利差 ÷ 360 × 円換算レート
ただし、実際の金額はFX会社ごとに異なり、日によっても変動します。ですので、取引前にFX会社の公式サイトやアプリで確認することが大切です。
確認方法の例:
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DMM FX:アプリの「スワップ/証拠金」メニュー
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GMOクリック証券:「ポジション照会」や「注文・約定一覧」
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SBI FXトレード:「スワップポイント履歴」から過去のデータも確認可能
 
また、多くのFX会社は「スワップカレンダー」を提供しており、日ごとのスワップの変動をチェックできます。
スワップポイントを活かした戦略「キャリートレード」
キャリートレードとは、金利の低い通貨を売って、高い通貨を買うことで、毎日スワップポイントを受け取り続ける投資法です。たとえば、日本円を売ってメキシコペソを買えば、メキシコの高い金利のおかげでスワップポイントが毎日もらえます。
この方法は、長期的にポジションを持ち続けることで、コツコツと利益を積み上げたい人に向いています。ただし、為替レートの変動で損をすることもあるので、あくまでも慎重な運用が必要です。
スワップポイントに影響する主な要因
スワップポイントは次のような要因によって変わります:
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政策金利:中央銀行が決める金利の上下でスワップ額も変化します。
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経済ニュース:インフレ率や失業率の発表などが影響します。
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市場の流れ:年末年始や祝日などは取引量が減り、変動が大きくなることも。
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世界の出来事:災害や戦争など予期しないイベントも影響します。
 
たとえば、アメリカの金利が上がると、ドルのスワップポイントが増える可能性があります。
スワップポイント取引のリスクと対策
スワップポイントを目的とした取引には、いくつかのリスクもあります。
主なリスク:
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金利が変わって、プラスがマイナスになることがあります。
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為替レートの変動でスワップ以上の損をすることもあります。
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市場の不安定時にはスプレッド(売値と買値の差)が広がることがあります。
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ロスカットで強制的にポジションが決済されることがあります。
 
対策のポイント:
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レバレッジは低めに設定する
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投資先を複数の通貨に分散する
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経済ニュースや金利動向を日常的に確認する
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あらかじめ損切りラインを決めておく
 
まとめ:スワップポイントでコツコツ資産運用
スワップポイントは、毎日少しずつ得られる利益として魅力的ですが、為替変動や金利の動きなど、注意すべき点もたくさんあります。放っておいて稼げるものではなく、情報収集やリスク管理が重要です。
とくに高金利通貨は値動きが激しい場合も多いため、自分の生活スタイルや資金に合った方法で取り組むことが成功のカギとなります。
自分に合ったスワップポイント戦略を見つけて、長期的に安定した資産形成を目指しましょう。
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