FX(外国為替証拠金取引)と株式投資は、どちらも資産を増やすための方法です。でも、それぞれ仕組みがちがっていて、向いている人も異なります。この記事では、FXと株の違いをやさしく説明し、自分に合った投資のヒントを紹介します。
FXと株ってどんな投資?
FXは、外国のお金(通貨)を売ったり買ったりして、値段の変化から利益をねらう投資です。たとえば、1ドル=150円のときにドルを買い、1ドル=152円になったら売れば、2円の差額でもうかります。FXでは、少ないお金(証拠金)で大きな取引ができる「レバレッジ」が使えるのが特徴です。
株式投資は、企業が出す「株」を買って、その会社の一部を持つことです。株の値段が上がったときに売れば利益が出ますし、会社から「配当金」や「株主優待」がもらえることもあります。
取引の場所と方法のちがい
FXは、世界中の銀行や投資家がインターネットを使って取引するグローバルな市場です。特定の場所(取引所)はなく、24時間いつでもどこでも取引できます。日本では「金融庁」という役所がルールを守っているかチェックしています。
株式投資は、東京証券取引所などの決まった場所で行われます。企業が上場するには条件をクリアする必要があり、投資家は安心して取引できます。情報開示も義務づけられており、信頼性の高い市場環境が整っています。
取引時間と売買のしやすさ
FXは、月曜日の朝から土曜日の朝まで、24時間いつでも取引できます。学校や仕事の後、夜間に自分のタイミングで取引できるのが魅力です。
株の取引時間は平日の9:00〜15:00と決まっています。一部の証券会社では夜の取引(PTS)ができますが、FXほど自由ではありません。また、人気のある株はすぐに売買できますが、取引量の少ない株は売りにくいこともあります。
レバレッジとお金の使い方
FXでは、最大25倍までのレバレッジをかけることができます。たとえば1万円の元手で25万円分の取引ができます。少ないお金で大きな取引ができる分、利益も損失も大きくなる可能性があります。だから、リスク管理がとても大切です。
株の現物取引は、自分が持っているお金の範囲でしか取引できません。ただし「信用取引」を使えば、約3倍の金額まで取引できます。こちらも使い方によっては大きな損をするリスクがあるので注意が必要です。
コストと税金のちがい
FXの取引コストは「スプレッド」と呼ばれる買値と売値の差です。また、スワップポイント(金利の差)によって、毎日少しずつお金が増えたり減ったりします。FXで出た利益は、基本的に自分で「確定申告」をして税金を払う必要があります。
株式投資では、売買ごとに証券会社に手数料を払います。信用取引をすると、金利や株を借りる「貸株料」などの追加費用もかかります。ただし「特定口座(源泉徴収あり)」を使えば、税金の手続きは自動で行われます。さらに「NISA」制度を使えば、一定の金額までは税金がかからない仕組みもあります。
値段が動く理由とリスク
FXの値動きは、経済ニュース、金利、政治、自然災害など、世界中のさまざまな出来事で変わります。市場が24時間動いているので、突然大きく値が動くこともあります。
株式投資では、企業のもうけ(業績)、新商品、ニュース、不祥事などが株価に大きく影響します。企業が倒産すると、その会社の株の価値がゼロになってしまうリスクもあります。信用取引では追加の損失が発生する可能性もあるため、リスクをしっかり理解しておく必要があります。
こんな人におすすめ!FXと株のタイプ別まとめ
FXが向いている人
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少ないお金から始めたい人
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夜しか取引できない人
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経済やニュースに興味がある人
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短い期間で利益を出したい人
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自分で積極的に学びながらトレードを続けられる人
株が向いている人
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応援したい会社がある人
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配当金や優待を楽しみにしたい人
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長い目で資産をふやしたい人
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値動きにあまり振り回されたくない人
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節税制度(NISAなど)を活用したい人
まとめ:どちらの投資が自分に合う?
FXと株は、それぞれに良いところと注意すべき点があります。どちらかが正しいということではなく、自分の目的や生活スタイルに合っているかがポイントです。
「すぐに利益を出したい」「ニュースを活かしたい」ならFX、「企業を応援したい」「じっくりお金を増やしたい」なら株式投資が合っているかもしれません。
どちらか一方だけでなく、両方をバランスよく組み合わせて使うのも良い方法です。大切なのは、自分のペースでムリなく、長く続けられる投資を見つけることです。
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